DNA鑑定では法律上の親子関係を覆すことができない。-27代溯れば1億3421万8528人-

昨日,最高裁判所で世間の注目を集めた判決が出た。

ある夫婦の婚姻期間中に生まれた子供の父親が夫と異なる場合,実際に血縁関係がある男性を法律上の父親とすべきか,血縁関係はなくとも結婚期間中に生まれたのだから夫を法律上の父親とすべきか。

この問題に答えが出たわけだ。

結論は,法律の条文通り,たとえ血縁関係がなくとも夫を法律上の父親とすべきとするものである。

民法772条. ① 妻が婚姻中懐胎した子は、夫の子と推定する。 ② 婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

この規定,夫が海外に単身赴任していて実際には妻と肉体関係がもてないという客観的な事情がある場合には,そもそも生まれた子供が夫の子供という蓋然性に欠けるから,推定は及ばないとされている。

ところが,夫と妻が一緒に生活している場合には,夫は妻と肉体関係を持てるので、たとえ妻が他の男性の子供を産んだとしても法律上は夫の子供だと推定される。

犯罪捜査でも使われるDNA鑑定万能の時代に随分時代錯誤な話と思われるかもしれないが、法律がこうなっている以上、裁判所を責めることもできまい(肌の色が違っても法律上の父親だというのは違和感があるか。)。

それよりも非嫡出子の相続分が嫡出子の半分としていた規定を違憲無効としたことからすると、「家」制度を維持すべきだと主張する人からすれば、ホッと胸をなでおろしたのではなかろうか。

ところで、お盆明けのこの時期、ご先祖様から見ると、この判決はどう映るのだろうか。

自分のルーツを遡るとき、全てが血族で繋がっているのがハッキリしている家系は陛下の天皇家くらいのものではないだろうか?

ところによっては種が尽きて、ご養子さんを迎えているところもあるだろう。

しかし、自分のDNAを遡ってみるとき、27代溯れば1億3421万8528人のご先祖様のDNAを引き継いでいることになる。

となると、日本国中、殆どすべての方が繋がっているわけで、ご先祖様からみれば、子供のためにそんなに騒ぐなということになるのではなかろうか。