メンタルケアも会社の義務

会社員が鬱病になった場合

会社側としては、会社員から精神科に通院しているといった申告を受けていれば、鬱病にならないよう何らかの対応ができたにもかかわらず、会社員が通院歴を申告しなかったために対応を取ることができなかった。
対応を取ることができない責任の一端はその会社員にもあるはずだ、

と主張したところ、東京高裁はこの主張を認め、通院歴を会社側に申告しなかった会社員の過失を2割認めました。

しかし、24日に下された最高裁判決では、会社側の主張を却下し、

会社員側には通院歴の申告がなくても、会社側には社員の安全を配慮する義務があるとして、二審判決を破棄し、高裁に差し戻した。

その理由として、通院歴や病名について「プライバシーにかかわり、人事考課にも影響しうる情報で、通常は知られずに働き続けようとする」ものだから、会社側は「労働者からの申告がなくても、労働環境などに十分な注意を払うべき安全配慮義務を負う」とした。

プライバシーという個別事情に配慮しなくても済むよう十分な配慮が行き届いた労働環境を提供するのが会社側の責任ということ。

今後、どこまで配慮すれば良いか、新たな課題となりました。