営業秘密
営業秘密
営業秘密の問題でお悩みの方も、先ずはご相談くださいませ。
営業秘密のよくある質問
Q.営業秘密を盗まれました!訴えたいです!
A.落ち着いてください。
まず,「営業秘密」として法律上保護されるケースかどうかを検討しなければいけません。
「営業秘密」として保護されるには,
1 客観的に見て,秘密として管理されていること,
2 その秘密が保護されることに一定の社会的意義と必要性があること,
3 まだ一般に知られていないこと
が必要です。
たとえば,
・ 誰もが出入り自由の事務所のデスクの上においてある顧客名簿は,どんなに秘密にしておきたいと思っていたとしても,営業秘密と認められないでしょう。
・ 脱税情報など,秘密にしておきたい情報でも,保護することに社会的意義と必要性がない場合も営業秘密には認められません。
・ 別ルートでいろんな人に出回ってしまっている情報も営業秘密とは認められません。
「営業秘密」に当たらないと知ってショックを受けた方,次は「営業秘密」として保護されるよう,秘密管理性を整えましょう。
Q.営業秘密が盗まれたのですが,どういう措置をとれますか?
A.差止請求や損害賠償請求ができます。
Q.当社の営業秘密レシピが,アクセスランキング上位として,テレビでとりあげられていました。従業員が勝手にアップしたことがわかったのですが,差し止めできますか?
A.いいえ,できません。
既に「まだ一般に知られていない」とはいえない状態になっており(Q1③の要件参照),その情報を取得した第三者は自由に使用できるため,もはや手遅れなのです。
ただ,損害賠償との関係では,営業秘密を侵害した行為時に「まだ一般に知られていない」といえればいいので,勝手にアップした従業員に対して損害賠償請求できます。
Q.過去の研究で失敗に終わったデータも営業秘密になりえますか?
A.はい。
失敗に終わったデータでも,開発に際して有益たり得ますから,要件を満たしていれば,営業秘密になり得ます。
Q.長年培ってきたノウハウを委託先にも利用させたいのですが,そうすると営業秘密だと認められなくなってしまうのですか?注意点を教えて下さい。
A.いいえ。
社外の人間に知られているとしても,一般に知られていなければ,営業秘密として保護される可能性があります。
ただし,社外の人間にノウハウへのアクセスを認めるわけですから,きちんと管理していなくては,客観的に見て,秘密として管理されているといえなくなってしまいます(上記①の要件参照)。
委託先と秘密保持契約を結んだり,相手先の従業員にも誓約書を出してもらったり,秘密保持契約が守られているか定期的にチェックしたり,工夫が必要です。
Q.監督官庁に,営業秘密を含む文書の開示を求められました。絶対に知られたくないので,秘密保持契約をしてほしいといってみましたが,ダメでした。どうしたらよいでしょうか?
A.営業秘密であることを示し,取扱に注意を促しましょう。そうすることによって,客観的に見て,秘密として管理されている状態が続くといえます(上記①の要件参照)。
Q.社員がわが社で見学んだものをライバル会社で活かして仕事をされてしまっては,結局のところ,営業秘密を守りきれません。同業種での就職や起業を禁止してよいですか?
A。はい。
ただし,退職した社員にも職業選択の自由があります。これを過度に制約する内容だと無効にされる危険があります。
制限の期間,場所的制限,制限対象職種の範囲,代償の有無などの観点から合理的範囲内といえなければ,無効とされてしまうので気をつけましょう。
様々な事情を総合的に考慮する必要がありますが,3年間の競業禁止合意を無効とした判決が一つの目安となるでしょう。退職した社員に守秘義務を課すことで目的を達成できないか検討してみて下さい。
Q.ライセンスを与えた相手に競業避止義務を課すのは許されますか?
A.はい。
ただし,相手の営業の自由を奪わないようにする必要があります。
フランチャイズ契約に伴い,禁止する競業の種類をそれまでと同一の分野に限定して,契約終了後3年間競業避止義務を課した事例で,有効であると認められた裁判例がありますが,営業の自由を制約する行為ですので慎重な判断が必要です。
守秘義務を課すことで目的を達成できないか検討してみて下さい。
Q.市販の新製品を分析して商品をまねられたらしいのです。営業秘密を盗まれたようなものなので,何か措置をとることはできませんか?
A.営業秘密といえるには,まだ一般に知られていないことが必要(上記①の要件参照)なことから,市販された時点で,その新製品は一般に知られてしまい,営業秘密としての保護は受けられないようにも思われます。
しかし,市販されている製品の分析製造が容易に行うことができないような場合には,営業秘密として保護されると認めた裁判例があります。
また,新製品について,特許権をとっていたり,著作権保護が及んでいたりする場合などは,それらに基づいて販売差止めや損害賠償請求できる可能性があります。
Q.まだ製品化はしていないのですが,先日,業界紙では,新しい技術の紹介をしてしまいました。その業界紙を見て,新技術をまねられてしまったのですが,何か措置をとることはできませんか?
A.業界紙や見本市での公表により,まだ一般に知られていないことという要件を満たさないと判断された裁判例があります(上記③の要件参照)。
したがって,営業秘密としては保護されない危険性が高いといえるでしょう。
特許出願も,開示後6ヶ月以内でないと,新規の技術として認めてもらえない危険があるので,業界紙等で公開するのであれば,早めに特許出願しましょう。
Q.裁判で争うとき,営業秘密を公開されてしまうのですか?
A.いいえ。
秘密保持命令を受けたら,関係者以外に証拠書類等を読まれることはなくなります。
したがって,証拠書類等に含まれる営業秘密は守られます。
Q.従業員の開発した技術を営業秘密として利用しています。従業員には,賞与を与えたのですが,不十分だと言われています。相当な対価といえるには,どの程度のことをしなくてはいけないのでしょうか?
A.特許権において,職務発明という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
特許を取得した場合でなくとも,裁判例は,職務発明の規定と同様,従業者には,相当な対価を請求する権利があると認めています。
そして,その相当な対価とは,会社がその営業秘密を利用できる地位を取得することにより受けることになると見込まれる利益を指すものとされています。


