商標問題

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商標登録~弁護士なら登録だけじゃない~

1 弁護士は,商標登録もできます。

  商標登録はもちろんのこと,弁護士であれば,商標侵害に対する対応やライセンス契約をはじめとする契約締結交渉段階で紛争防止のための防止的措置をとることができます。


2 登録の流れ

3 費用

  出願申請:5万2500円
  登録申請:5万2500円
 

商標侵害~弁護士なら訴訟対応もできる~

 1 事例

 ・A社は,○△パンを登録商標して販売していたところ,隣の市でB社が○△パンを勝手に売り始めた。

  →この場合は商標侵害として,損害賠償請求や差止請求ができます。
 
 ・A社は,○△パンを商標登録して販売していたところ,隣の市でZ社が○△ペンを勝手に売り始めた。

 →商標侵害には当たりません。もし,A社の○△パンが非常に有名で,○△ペンがA社製のものであると混同
 される場合には,不正競争であるとして,損害賠償請求や差止請求ができます。
 

2 商標を侵害された場合の対抗手段

  差止,損害賠償請求,信用回復措置,刑事告訴が考えられます。
  商標権侵害と認められる要件については,Q&Aをご参照下さい。
  
個別的な判断が必要な事柄については,弁護士など専門家にご相談ください。


 具体的な流れ

  一般的には,いきなり裁判所に訴えたりはせず,内容証明郵便などを送付し,交渉を試みるとこ
 ろから始まりますが,相手方が話し合いに応じないのが明らかである場合,例えば,弁護士に依頼   
 する前に既に相当交渉しているが決裂した場合などは,最初から
ADRないしは訴訟という手段をと
 って弁護士を代理人につける場合もあります。
それぞれの特徴は以下のとおりです。


<交渉>

  侵害したとされる当事者と直接交渉します。
 通常は,内容証明郵便を送付し,その中で,商標登録したこと,商標侵害であると思われる事実の経過,それゆえに差し止めないし損害賠償等を求めることなどを記載します。
 そ
の後,相手方と何度か文書や電話,FAXのやり取りを経て,面談交渉に入ります。

 
メリットとしては,第三者機関の力に頼ることがないので,協力的な相手方であれば,早急に解決できる可能性があること,弁護士費用,実費などいずれも比較的低廉ですむことです。

 
デメリットとしては,あくまで交渉に応じるかどうかは相手方の任意なので,対立が激しい場合や,相手方が悪質な場合などは,効果がほとんどない可能性があることです。

ADR

 当事者間の主張に開きがあるなど,当事者だけの交渉に限界が生じた場合は,例えば,日本知的財産仲裁センター(
http://www.ip-adr.gr.jp/)などのADR(裁判外紛争解決手続)を行っている機関を利用し,専門家である第三者を介して,調停・仲裁を行うことができます。

 
メリットとしては,専門家である第三者が介入することになって,当事者同士が話し合うよりも,適切な解決策が導かれる可能性が高くなることです。

 
デメリットとしては,弁護士費用の他に,調停や仲裁を申し立てる手数料(上記日本知的財産仲裁センターでは,調停が5万円,仲裁は10万円です)など,費用が余分にかかることです。また,仲裁は,あらかじめ当事者間で仲裁合意をしておく必要がありますし,調停は調停委員が解決策を強制することはできず,あくまで当事者の合意が必要です。

訴訟>

 交渉でも,
ADRでも解決できない場合は,訴訟で裁判所によって強制的に決めるしかありません。
 訴訟の場合は,証拠が命です。そのため,日ごろから関係資料は大切に保管しておく必要があります。

 メ
リットとしては,相手方がどんなに拒否しても,裁判所が強制的に判断をくだすことができるため,必ず何かしらの解決策が出ることです。(もちろん,証拠次第によっては,訴えた側が負けるという形の解決もあり得ます)。

 
デメリットとしては,裁判費用がかかること,当事者間の主張に開きがある場合などは証拠調べなどで解決するまでの期間が膨大となることです。


4 商標侵害でクレームを付けられた場合

  
商標権を侵害しているとして訴訟を提起されたのですが,どうしたらよいのでしょうか。
  答
弁書という書面の提出を要求されますので,答弁書の中で主張を明らかにしていきます。
  
裁判では,争うことを明らかにしないと,相手方の主張を認めたことになるなど,独特のルール
 があるので,弁護士に相談することをお勧めします。

 

ライセンス契約~弁護士なら紛争を見越した契約締結,万一のときも安心~

1 ライセンス契約とは?

  特許権についてのライセンス契約の方がなじみ深いかもしれませんが,商標でもライセンス契約を結ぶこと
 はできます。
  商標のライセンス契約とは,御社がもっている商標権を,他者が使用するのを認める契約です。
  使用を認める代わりに,使用料を受け取ることが一般的です。


2 注意点

  当事者や使用を認める範囲をきちんと決める必要があります。
 
たとえば,契約相手が分社化している場合,どの会社までが使用することを認めるのか,きちんと
 決める必要があります。
   ま
た,相手だけに使用を認めるのか,複数の会社に使用許諾することがあり得るのか,御社も使用
 するのか,範囲を確定する必要があります。
  
範囲が決まっていないと,後々の紛争の元です。紛争を防止するためには,弁護士に相談すること
 をお勧めします。

商標問題のよくある質問

 Q.商標はどうすれば保護されるのですか?

A.特許庁で商標の出願をする必要があります。   
登録後,10年ごとに更新する必要がありますが,更新は何度でもすることができます。 
 



Q.商標を侵害されたらどうすればよいのでしょうか?

A.

1 差止請求  

2 損害賠償請求  

3 信用回復措置  

4 刑事告訴が考えられますが,まずは,内容証明郵便で警告文を送るのがよいでしょう。 
 



Q.Aという名前でパソコンを製造・販売していますが,Bという会社が全く同じ名前でパソコンの製造販売をはじめています。損害賠償請求したいのですが,いくら請求できますか?

A.B社の侵害行為がなければ,得られたであろう利益について損害賠償が可能です。
  具体的には,B社によって売上げが減少していたとすれば,その減少した売上げ分の賠償請求が可能です。
 



Q.損害賠償について,どのように計算すればよいのでしょうか? 

A.商標法で,計算方法がいくつかが規定されており,それに基づいて請求できます。 

  以下のどの方法によってもかまいません。 

1 侵害者の譲渡数量×権利者の1台当たりで得られる利益額
  ただし,この販売数が商標権者の使用の能力の限度であることが要求されます。
  つまり,A社が生産できない数をB社が売っていたとすれば,A社が生産できる限度でのみ損害賠償請求で       きます。

2 侵害者の利益侵害者の得た利益が,商標権者の損害と推定されます。 
  あくまで推定ですので,侵害者は,そんなに利益がないとの反論が可能です。 

3 使用料相当(ライセンス料相当)商標権者が,得られるはずの使用料(ライセンス料が)請求できます。  
      1,2よりは,一般的に低額となるので,予備的に請求されることが多いようです。
 



Q.商標の類比判断(商標の類似性はどのように判断するのか)私の経営するA会社は,××宅配便という名前でサービスを提供しています(××宅配便は,商標登録しています)。ところが,ライバル会社が,×ב宅配便という名前でサービスを開始しました。商標侵害といえますか?

A.混同を起こすかどうかは,「××」と「×ב」の外観,観念,呼称が類似しているかの他,取引事情も考慮して判断されます。
 



Q.商標侵害で訴えられた場合に考えられる反論 ×△という名前でパソコンを販売していたところ,××という商標を取ってパソコンを販売している会社から,商標侵害であるとの警告をうけましたが,どのような反論が考えられますか?

A.以下のような反論が考えられます。

1 商標が類似していない。

2 商品が類似していない。

3 商標的使用ではない。

4 商標権の効力が及ばない。 (自己の肖像や氏名を普通に用いられる方法で表示した商標, 商品の普通名称,産地,販売地,品質等を普通に用いられる方法で表示した商標には,商標権の効力が及ばないとされています。)

5 権利濫用である。

6 相手の商標権が消滅している。

7 ライセンスを受けている。

8 先使用権等がある。

などです。
 



Q.先使用権  私の店で,先々代から使用している商品名が,商標侵害であると警告を受けました。商標権登録は,今から4年前だそうです。この場合も侵害となるのでしょうか?

A.先に使っているとして,「先使用権」があるとの主張が可能な場合がありますが,この主張をするためには,先に使っているというだけでなく,その商品名について,①周知性②不正競争の目的がないこと③継続的に使用していることが必要です。
 



Q.商標の損害賠償請求に対する反論当社が販売する商品名が,商標侵害であるとして,B社から警告文がきました。確かに商品名が酷似しています。ただ,B社は当社と同じ商品は販売していません。価格帯も違いますし,B社の製品を買いたい人が当社の製品を買ったとは思えないのですが,そのときも損害を支払わなければいけないのですか?


A.B社には損害はないとの主張をすることが可能かもしれませんので,相手の主張内容を慎重に検討する必要があります。
 
  裁判例の中に,

1 商標権者が侵害品と同一の商品を販売しているかどうか,

2 販売している場合,その販売態様はどのようなものであったか,

3 当該商標と商品の出所たる企業の営業上の信用とどの程度結びついていたか

を総合勘案する必要があるとしたものがあります(カナディアンメープルシロップ事件平成13年10月31日判時1776号101ページ)。
 



Q.当社が販売する商品名が,商標侵害であるとして,ライセンス料を請求されました。しかし,相手の商標は全く有名ではなく,商標を見て相手の商品を購入する客がいるとは到底思えません。このようなときも損害賠償をしなければいけないのですか?

A.相手の商標に顧客吸引力が全く認められず,商標を使用することが貴社の商品売り上げに全く貢献していないような場合には,損害賠償としてライセンス料すら認められなかった事案があります(小僧寿し事件 最判平成9年3月11日判決)。 
 



Q.相手が商標不使用の場合に損害賠償請求してきた場合商標権者が,当社に対して商標権侵害として損害賠償請求をしてきました。ただ,商標権者はまったくその商標を使用していないようです。このような場合もお金をはらわなければいけないのですか?

A.商標権者には損害が発生していないので,損害賠償請求も認められない可能性があります。
裁判例:JAMJAM事件 名古屋地判平成13年11月9日。
 



Q.相手方商標に対する対抗策 商標権侵害であるとの警告を受けましたが,どのような対抗手段が考えられますか?

A.

1 無効審判請求(相手の商標は最初から無効だったと主張します。)

2 取消審判請求(相手の商標を,途中から取り消します。ただ,はじめからなかったことにできるわけではありませんので,一部損害賠償を支払う可能性があります。)

3 特許庁に対する判定請求(法的拘束力は有りませんが,交渉を有利に進める効果があります) 。
 



Q.不使用取り消し審判私はAという商標を使っていますが,どうやら別会社に商標登録されているようです。しかし,その別会社はその商標を使って商品販売をしている様子はありません。私たちが変わって商標登録することはできませんか?

A.不使用取り消し審判をし,別会社の登録を取り消すことが考えられます。

  要件は以下のとおりです。

1 継続して3年以上,日本国内において不使用であること。

2 商標権者及び専用使用権者,通常使用権者のいずれもが不使用であること。 
 



Q.類似商品のみで不使用の場合相手は商標について不使用であるので,不使用取り消し審判をする予定です。ただ,相手は商標登録している商標は使用していませんが,類似の商標は使用していることが判明しました。このときも不使用として取り消しを求めることはできますか?

A.類似商品の使用は,カウントされませんので,不使用として取り消しを求めることができます。