桐生貴央の法律解説ブログ - 広尾総合法律事務所

相続放棄・代襲相続・再転相続

代襲相続人が相続人の相続放棄をした後に被相続人の遺産を取得することができるのか?

山形地裁平成17年3月15日判決

相続人(乙)の死亡後,代襲相続人(丙)が乙の相続放棄をした後に被相続人(甲)が死亡した場合,丙はすでに乙の権利義務の承継を放棄したのであるから,乙に代わって甲を相続するという代襲相続権も放棄したのではないか?

丙は,乙の相続放棄をしたとしても別の相続にあっては乙を代襲して相続人となることができるので(山形地裁平成17年3月15日判決),甲の遺産を取得することができます。

似て非なる事例として最高裁判決昭和63年6月21日判決があります。

これはいわゆる再転相続の問題ですが,再転相続とは甲が死亡して乙が相続人となったが,3ヶ月の熟慮期間内に乙が相続の承認や相続放棄をしないまま死亡したため,丙が甲の相続(1次相続)と乙の相続(2次相続)の二つの相続をすることをいいます。したがって,乙が甲より前に死亡したため,丙が甲を相続するような代襲相続とは異なります。

最高裁判決昭和63年6月21日判決

甲が死亡し,乙が3ヶ月の熟慮期間内に相続の承認・放棄をしないまま死亡した後に丙が乙の相続放棄をした場合,乙はもはや甲の相続について承認・放棄の手続きをすることができなくなります。


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