桐生貴央の法律解説ブログ - 広尾総合法律事務所
麻布広尾町 広尾のアンミラ
事務所案内をするとき,事務所は「広尾のアンナミラーズがあったところです。」,というと,私の上の世代や下の世代でも近しい世代の方には通じます。
アンミラというとウェイトレスさんのコスチュームが思い出されますが,私は,別にアンミラがあったから,この建物に事務所を構えた訳ではありません。そもそも,私が入居したときには外のお菓子屋さんに変わっていて,アンミラのウェイトレスさんと仲良くなれるチャンスはなかったのです。(^^)。
この町内は,麻布広尾町といって,広尾神社の氏子さんたちが多く,秋になると,お祭りがあり,町内で御輿を担いだりもしています。
先日,麻布広尾町で検索していたら,「検察側の証人~麻布広尾町殺人事件~」というタイトルのサイトに行き着きました。
アガサ・クリスティー原作の法廷ミステリーで若い弁護士二人が活躍する内容の公園らしいのですが,麻布広尾町で殺人事件?若い弁護士?なんて話を聞くと,現場を見に行かなくちゃという衝動に駆られてしまいますね。(^^)。

未婚の両親の間に生まれた非嫡出子の相続分
平成23年12月21日,名古屋高等裁判所において,非嫡出子の相続人について規定した民法1044条の違憲性について争われた事件について判決があった。
民法1044条は非嫡出子の相続分については嫡出子の半分とする規定であるが,この相続分は不公平なので憲法14条に反するとしてかねてより争われている。
1995年,最高裁判所は,合理的な理由があるとして,この差別については合憲であるとの判断を下したが,最近でも,この問題は,最高裁大法廷に回付されたことがあり,判例変更になるかどうか裁判所の判断に注目が集まっている。
このような状況下で今回の高裁判決は出されたのであるが,名古屋高裁は民法1044条自体は憲法14条に反するものではないと判断し,ただ民法1044条の立法理由は法律婚の尊重と非嫡出子の保護の調整を図るために,法定相続分については嫡出子を非嫡出子よりも優遇するが,非嫡出子にも嫡出子の半分の法定相続分を認めて保護を図るとするところにあるとすると,尊重し優遇されるべき法律婚が現に又は過去に存在している状態で出生した非嫡出子との関係において差別をすることは一定の合理的な理由があるが,非嫡出子が出生したときにおいて,被相続人がそれまで一度も婚姻したことがない場合には,その時点では尊重すべき何らの法律婚はないので,当該非嫡出子との関係で本件規定により尊重すべき嫡出子もいないから,このような場合において,後日被相続人が婚姻して出生した嫡出子との関係で民法1044条を適用することはその差別に合理性は認められないから違憲であるとした。
この判決は,最高裁が合憲と判断しているので,民法1044条自体は憲法14条には違反しないが,被相続人が一度も結婚していない状況下で生まれた非嫡出子の場合にまで適用すべきではないとして適用違憲の判断を下したものなので,民法1044条の存亡についての問題はまだまだ続くことになります。
www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120127141130.pdf
東京都 成年後見・相続支援センター
高齢化社会,我が国の財政悪化に伴う相続税の負担増
高齢者様の財産管理・相続問題が今後ますますクローズアップされてきます。
そこで,財産管理・相続問題の解決のために,新たに「東京都 成年後見・相続支援センター」を立ち上げましたので,是非ご覧下さい。
www.seinenkouken-law.jp/
Bird in a cage
資産家に嫁いだある女性タレントの離婚事件を扱ったときに彼女がつぶやいた
Bird in a cage。
資産家に嫁いだのだから、なに不自由なく暮らしていて、何が不満なのかと思うかもしれないが、どんなに資産があろうとも夫婦の間を埋めることはできず、そこにはやはり愛情が必要となるのだろう。
しかし、それが満たされないと、わびしいばかりで、自由が欲しくなる。
ということで、彼女は離婚を決意したのですが、一般人の場合、結婚も離婚も二人の合意に基づき、用紙に、二人がそれぞれ署名・捺印して、それを役所に提出すれば成立します。
しかし、我が国には二人の合意だけでは結婚が成立しない方たちがおられます。
すなわち、立后や皇族男子が結婚する場合、皇室会議での承認が必要となります(皇室典範第10条)。
他方、離婚をする場合には、皇室会議の承認は必要とされておりません。
そして、離婚が成立すると、民間から皇室に嫁いだ女性は皇籍を離脱することになります(皇室典範第14条第3項)。
離婚の場合、協議離婚と裁判上の離婚がありますが、一般の場合、協議離婚が整わなければ、調停や裁判といった裁判手続きを踏む必要があります。
この裁判手続きは民事裁判なので、民事裁判権が皇室に及ぶかという問題があります。
これに関しては、皇后陛下に対して民事訴訟を提起した事件があり、東京高等裁判所は皇后陛下に対する民事裁判権を否定する理由はないとして、皇后陛下に対する民事裁判権を認めております(東京高等裁判所昭和51年9月28日判決)。
このように、皇后陛下に対する民事裁判権が認められていることから、天皇陛下以外の他の皇族の方たちに対する民事裁判権も認められることになります。
とすると、協議離婚が成立しない場合、離婚の可否を裁判所で争うことになります。
この裁判は東京家庭裁判所で行うことになりますが、裁判所の職員らはえらく緊張するでしょうね。
また、お二人にお子さまがいる場合、お子さまの親権者をどちらにするかについても裁判所で決めることになります。
親権者が父親となれば、お子さまの皇籍離脱は問題となりませんが、親権者が母親となれば、お子さまの皇籍離脱についても問題となってきます。
お子さまの皇籍離脱について、皇室典範第11条第1項は、年齢15年以上の内親王、王及び女王については、その意思に基づき、皇室会議の承認があれば皇籍を離脱できると定めております。
さらに、皇室典範第11条第2項は、親王(皇太子及び皇太孫を除く。)、内親王、王及び女王は、やむを得ない特別の事由があるときは、皇室会議の承認があれば皇籍を離脱できると定めております。
従って、お子さまが皇太子か皇太孫でなければ、15歳未満であっても、やむを得ない特別の事情があれば、皇室会議の承認を経て皇籍を離脱することができます。
お子さまが女の子で15歳未満である場合、裁判所で親権者を母親と決めるとすれば、皇室会議もやむを得ない事情があるとして承認するのでしょうね。
次に、離婚が成立する場合、財産分与や慰謝料が問題となります。 皇室の経済状況については皇室経済法で定められており、第4条によれば、天皇並びに皇后、太皇太后、皇太后、皇太子、皇太子妃、皇太孫、皇太孫妃及び内廷にあるその他の皇族については内廷費が支出され、第6条によれば、その他の皇族には皇族費が支出されます。
これらは公金には属しない、いわゆるポケットマネーとなるので、この財産の中から財産分与や慰謝料が支払われることになります。
また、皇室経済法第6条1項は、皇族であつた者としての品位保持のために一時金額を支給するものと定めており、離婚や特別な事情で皇籍を離脱する場合には、独立の生計を営む皇族について算出する年額の10倍に相当する額を超えない範囲内において、皇室経済会議の審議を経て定める金額とされております。
この年額は、独立の生計を営む親王に対しては、定額相当額。独立の生計を営む内親王に対しては、定額の2分の1相当額となります。
ちなみに、ここにいう定額は皇室経済法施行令に定められており、年額3050万円とされております。
このように、皇室の方たちの婚姻については、一般人とは異なる仕組みとなっていますが、馴染みがないと思いますので、触れてみました。
滞納管理費支払者の元所有者(破産者)に対する求償権
建物の区分所有等に関する法律(マンション法)第8条では「前条第1項に規定する債権(管理費債権)は,債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。」と定め,管理費を滞納しているマンションを購入した人はその滞納管理費も支払わなければなりません。
従って,元所有者に代わって滞納管理費を支払った購入者は元所有者に対して,求償権を行使することができます(東京高裁平成17年3月30日判決)。
ところが,元所有者が破産して免責を受けていた場合,いったいどこまで求償することができるだろうか?
この点に関して,平成23年11月16日,東京高等裁判所で判決がでましたので紹介いたします。
本件では,元所有者が破産手続開始決定を受け,区分建物に抵当権が設定されていて余剰がないため破産管財人が破産手続き中に財団から放棄した区分建物を,競売により購入した者が支払った滞納管理費を元所有者に求償した事例です。
この事例で,元所有者は免責決定を受けているのですが,その場合,求償権はどこまで及ぶかということが問題となります。
ここで元所有者は免責決定を受けているので,破産手続開始前の滞納管理費については破産債権として免責の対象となります。
また,破産手続開始決定後の管理については財団債権となりますので,破産者は支払義務を負いません。
問題は,破産管財人が放棄した後の管理費についてですが,これについては破産者が義務を負わないとする法律上の根拠はありませんので,財団放棄後の管理費については破産者が支払わなければならず,従って,求償することができます。